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INTERVIEW 特別インタビュー

Special Interview


特別インタビュー
<セラピスト編>
01

2020/12/05 掲載

甲斐様担当セラピスト
理学療法士:大嶋、作業療法士:藪田インタビュー

好奇心と行動力が甲斐様のリハビリスタイルです


はじめに

甲斐様はデイサービスであるKiyoリハビリPROSをご利用されるとともに、KiyoリハビリPROSの提携クリニックであるきよ女性クリニックのリハビリをご利用されています。今回はきよ女性クリニックの担当セラピストをお招きし甲斐様の訪問リハビリにまつわるお話をお聞きしました

 

 

Kiyo今日はどうぞよろしくお願いいたします。本日はきよ女性クリニックで甲斐様の訪問リハビリを担当されているお二人の目から見たリハビリの話を聞かせてください。

 

大嶋薮田よろしくお願いします。

 

 「最初の出会い」

 

Kiyo:甲斐様と初めて会った時のことを覚えていますか?

 

大嶋はい覚えています。ご本人から「なんとかして歩きたい」という強い気持ちが伝わってきました。リハビリの展開の仕方次第では、目標に近づくことができるかもしれないという予感も感じました。

 

薮田

私も非常に強い気持ちを感じましたね。自宅内での活動範囲が増えれば良い波に乗っていけるのではないかと思いました。

 

Kiyo最初どのようにリハビリを展開していこうと考えていましたか?

 

大嶋:麻痺側の肩と股関節に強い痛みがあったので、まずこの痛みをなんとかしないといけないと考えました。麻痺側の手足の痙性を落としながら、関節可動域練習や、感覚をしっかり感じ認識する練習などを進めました。その結果3ヶ月後には痛みは低下していきました。また足の痙性が高く装具がしっかり履けておらず痛みがでやすかったので、装具と足のフィッティング改善を行いました。

 

 

 専門の知識と技術で甲斐様の様々な症状に対応していく。

 

薮田:私の方では身体をバランス良く使い、立ち上がりを行う練習を集中して行いました。非対称性を治していく感じですね。そうすると麻痺側の足の認識が良くなり、腕の緊張感も緩和してきました。トレーニングの方法が自己流になっている部分もあったので、日常生活にも生かせるように自主トレ指導も行いました。

 

「リハビリ開始3ヶ月、生活に変化が出始めてきた」

 

Kiyo:なるほど、お二人で連携しながらリハビリを進めるための土台作りから進めていかれたのですね。では、歩行に変化が見られてきたのはいつからですか?

 

大嶋:リハビリ開始から3ヶ月後くらいですね、痛みも改善してきて歩行の安定感が向上しました。作業療法士と相談し、自宅内で歩いてトイレへの移動を開始したのもこの頃からですね。

薮田:そうですねそのくらいから感覚が掴めてきたようにに思えます。奥さんの介助で立ってもらう時も上手になり、日常生活の様々な場面で実践できるようになってきていました。

 

 

 

屋外歩行トレーニングでの一コマ、安全のためヘルメットを装着し行われる。セラピストとの信頼関係があり、安心して歩行されている。

 

Kiyo:少しづつ生活にリハビリの効果が見え始めてきたのですね。トイレ歩行導入にむけて家屋改修は提案しましたか?

 

大嶋:手すりの設置と、トイレの床の底上げを行いました。環境を調整した結果、奥様一人でもトイレ歩行介助が行えるようになりました。

 

薮田:実際に業者に同線の指示や適正な高さの指示など細かなアドバイスを行いました。福祉用具の導入も同時に行い円滑なトイレ移動が行えるようにセラピスト合同で展開しました。

 

「今取り組んでいること」

 

Kiyo:今はどんなことに取り組んでいるのですか?

  

大嶋:最近は床に下りる練習を行っています。座敷で友達とご飯を食べたいという目標に向けて頑張っておられます。

 

 

 

 

座り込みの練習風景。こういった生活に直結するトレーニングを訪問リハビリでしっかり行っていく。

 

薮田: 私の方では麻痺のある腕と足を日常生活全体で使っていくための実践練習を行っています。

 

Kiyo:お二人から見て甲斐様のリハビリへの取り組み方をどのように感じていますか?

 

大嶋:甲斐様には家族と仲間の集いを楽しみたいという大きな目標があります。その目標に向かって、とても前向きに取り組まれています。そのやる気に応えるように奥様も多岐にわたりサポートしてくださっています。奥様がサポートしてくださる事により日常の活動範囲が確実に広がってきています。

 

薮田:いつもリハビリに熱心に取り組まれています。奥様と二人三脚で様々な可能性を試されていますね、上手くいく事もあればそうでない事もあります。しかしそういった日々の積み重ねが前向きなパワーになっているように思います。KiyoリハビリPROSのデイも熱心に通われていますね。甲斐様がみんなと賑やかにするのが好きなので、訪問リハビリも体だけでなく口も動かしながら賑やかにやってますよ。

 

 「好奇心と行動力」

 

Kiyo: 好奇心と行動力が甲斐様のリハビリスタイルの特徴ですね。デイサービスでもいつもトレーニングに積極的にチャレンジされています。甲斐様は自主トレ器具の作成や、ご自身の装具にも工夫を施されていますね。そういった点に関してはなんらかのアドバイスはされたのですか?

 

大嶋:私のほうからもいくつかアドバイスはさせてもらいました。まず、足首が固くて装具が装着できなかったので装着を安易にする方法を提案させていただいたところ、ご自身で装着アタッチメントを作成されました。非常に良い仕上がりで、一人で装具をつけることができるようになりました。自主トレ器具に関してもサンプルをお見せすると「自分で作ってみる」とご自身で自主トレ器具を作成されました。最近は腕の動きの練習用の滑車を作成されましたよ。

 

 

 

足部前面の開きがマジックベルトで固定できるように工夫されている。この工夫により一人で装具を装着できるようになった。この試作品は甲斐様ご自身の手によって作成された。

 

 麻痺側の足部が固くならないように伸ばすための機器。これも甲斐様ご自身により作成された。非常によく考えられた機器である。

 

 

薮田:私のリハビリの後は必ず机の前に行ってもらい、リハビリグッズ作成だけではなく様々な制作活動に取り組んでもらいます。甲斐様は電気工作も得意としているので、作業の引き出しは無限大ですよ。ドラえもんのようです、なんでも作れるので机の周りはまるで四次元ポケットのようですよ(笑)ちなみに甲斐さんの杖にも奥さんお手製のドラえもんがついてますよ。次に何を作るか、本人だけでなく周りもワクワクしています。

 

甲斐様のアイディアが生み出される、作業台兼パソコンデスク。

 

Kiyo:リハビリに必要な器具を自分で作るというのが甲斐様らしいですね。私も実際に拝見しましたが、装具のアタッチメントなんか非常によく考えられていますよね。

 

大嶋:せっかく作った装具でもちょっとした使い勝手の違いで、普段使ってもらえるか否かの差がでます。使用される方に合わせた微調整の知識やアイディアは大切ですね。

 

薮田:これはよく考えられていますよね。僕もびっくりしました。しっかり履けるようになったと思います。

 

 「次の目標」

 

Kiyo:最後に甲斐様の今後の目標についてご本人とどのように話し合っていますか?

 

大嶋:今後は体力をつけて長い距離を歩けるようになろうと話しています。

 

薮田:甲斐様は知らず知らずのうちに目標がどんどん出てきますね。甲斐様はやりたいことが多くて忙しそうです。アマチュア無線もしているので、世界と繋がることも進めてほしいですね。

 

Kiyo:本日はありがとうございました。

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